犬がよく吠えるのはなぜ? 理由別のやめさせ方

片づいたリビングで、日の差す窓辺に立ち、口を開けて吠えている中型犬
この記事のイメージとしてAIで生成した画像です。

吠え声は、こちらの神経をすり減らしますし、「どこか悪いのでは」と心配にもなります。

でも、ここだけは押さえておいてください。**吠えは悪い行動ではありません。コミュニケーションです。**愛犬はあなたに(あるいはカラスに、宅配の人に)何かを伝えています。

「吠えをやめさせる方法」がうまくいかないことが多いのは、どの吠えも同じものとして扱ってしまうからです。実際はまったく違います。退屈で吠えている犬に必要なことと、こわくて吠えている犬に必要なことは、正反対なのです。

だから、静かにする前に答えるべき質問はひとつ。**うちの犬は、なぜ吠えているのか。**ここが合えば、対処法はたいていついてきます。

まず、どんな吠えにも共通する2つのルール

原因が何であれ、この2つはどちらに転んでも効いてきます。

  • どならない。 犬にとって、大声の「ダメ!」は一緒に吠えているように聞こえます。よくて無意味、悪くするとやめさせたい行動へのごほうびになります。
  • こわがっている吠え、不安からの吠えは絶対に罰しない。 罰は音を消せても、その下の恐怖はそのまま残します(むしろ強まります)。変えたいのは音ではなく、犬の気持ちのほうです。

力に頼らないやり方は、いつも同じかたちをしています。吠えの裏にある必要を見つけ、その必要を満たし、増やしたい静けさのほうにごほうびを与える。それだけです。

愛犬の「理由」を見つける

困った吠えのほとんどは、次のどれかに当てはまります。いつ、どこで起きるかを観察してください。きっかけこそが最大の手がかりです。

吠えの種類見え方犬が言っていること
警戒・縄張り窓、玄関、フェンス、通行人に短く鋭く吠える「何か来た。まかせて!」
退屈・刺激不足長く単調な吠え。留守番中や放っておかれたときに多い「やることがない」
要求・かまってほしいこちらに向かって吠える。目が合う。相手をすると止まる「見て。ごはんちょうだい。遊んで」
恐怖・不安後ずさりする、しっぽを巻く。知らない人、物音、留守番に吠える「こわい、来ないで」「行かないで」
もどかしさ・興奮散歩中に他の犬へ吠える。柵ごしに吠える「行きたいのに行けない!」
あいさつ・遊び帰宅時や遊びの最中の、うれしそうな弾んだ吠え「おかえり! 楽しい!」

どれか判断がつかないときは、次の何回かの吠えをメモしてみてください。時刻、場所、直前に何があったか。だいたいすぐにパターンが浮かび上がります。

警戒・縄張りの吠え

インターホンと窓辺の吠えです。何かを見つけたり聞きつけたりして警報を鳴らし、きっかけがそこにあり続けるので、なかなか止まりません。

効くこと:

  • 見える範囲を減らす。 一日じゅう窓辺を見張っているなら、下半分に目隠しシートを貼る、カーテンを閉める、その部屋に入れないようにする。反応する材料が減れば、吠える回数も減ります。
  • 「ありがとう」を教える。 落ち着いた声で知らせを受け取り(「ありがとう」)、そのまま呼び寄せて、来たことをほめます。吠えと言い争うのではなく、吠えに終了スイッチをつけてあげるのです。
  • 「気づいたこと」にごほうびを。 きっかけを見つけたのに爆発せず、こちらを見た瞬間に「よし!」と合図しておやつ。続けるうちに「外で何かあった」が、吠える合図ではなく、飼い主を見る合図に変わっていきます。

退屈とエネルギーのあまり

やることがない犬は、自分で楽しみを作ります。そして吠えるのはタダです。とくに留守番中、延々と吠え続ける原因としてはいちばん多いものです。

効くこと:

  • エネルギーを使わせる。 よく吠える落ち着かない犬は、たいてい運動が足りていません。よく吠える時間帯の前に、しっかりした散歩や、ボール遊び、ドッグランでの自由時間を入れましょう。
  • 頭も使わせる。 多くの犬にとって、体の疲れより頭の疲れのほうが効きます。知育トイ、ノーズワークマット、草むらにおやつをまいて探させる、5分のトレーニング。長い散歩より落ち着くことも珍しくありません。
  • 留守番を楽しい時間にする。 出かける直前に、詰め物のできる知育トイやなめるマットを渡す。退屈な犬に仕事ができ、ひとりの時間に良いイメージがつきます。

要求吠え

こちらに向かって吠え、目を上げた瞬間、話しかけた瞬間、おもちゃを渡した瞬間にぴたりとやむ。それなら、あなたはもう犬をしつけています。意図せずに。どんな反応も、たとえうんざりした反応でも、犬にとってはごほうびです。

効くこと:

  • 完全に無視する。 目を合わせない、話しかけない、触らない。1秒でも静かになった瞬間に、すかさずかまってあげます。ルールをひっくり返すのです。静かにすればもらえる、吠えても何も起きない。
  • 「消去バースト」を覚悟する。 吠えが通用しなくなると、消える前にたいていいったん激しくなります。それは効いているサインです。ここで折れると、「もっと長く、もっと大声で吠えればいい」と教えてしまいます。
  • 先回りする。 犬が要求したくなるに、落ち着いて静かにしている瞬間をほめてあげてください。落ち着いていればもらえる注目は、吠えて要求する必要のない注目です。

恐怖・不安の吠え

この吠えには、不安そうなボディランゲージがともないます。しっぽを巻く、体を低くする、後ずさりする、背中の毛が立つ。えらそうにしているのではなく、こわくて距離をほしがっているのです。留守番中の吠えも、ここに入ります。

効くこと:

  • 距離をとる。 こわいものから離して、考えられるくらい落ち着ける場所まで下がります。パニック中の犬にトレーニングはできません。
  • 音ではなく、気持ちを変える。 こわいものを(安全な距離で)すてきなものと結びつけます。おやつ、遊び。根気よく続けるこの方法が系統的脱感作と拮抗条件づけで、「あれが出てくると、いいことが起きる」と教えていきます。同じ方法は花火をこわがる犬の記事でも詳しく紹介しています。
  • 絶対に罰しない。 こわがっている吠えを罰すると、「こわいもの」も「飼い主の反応」も両方こわいものになります。留守番にまつわる吠えや、強い恐怖、悪化していく恐怖には、かかりつけの獣医さんと、力に頼らない方法の認定を受けた専門家に相談してください。

もどかしさ・興奮の吠え

代表例は、散歩中に他の犬を見ると取り乱してしまう犬です。攻撃性ではなく、行きたいのに行けないもどかしさです。あいさつしたい(追いかけたい、遊びたい)のに、リードがそれを許してくれない。

効くこと:

  • 爆発する前に距離をつくる。 きっかけを早めに見つけて、限界を越える前に落ち着いて距離をとります。気づいたうえで力を抜いていられたら、ほめましょう。
  • 落ち着いて見られたことをほめる。 他の犬に気づいて、そのままリラックスしていられた瞬間に合図しておやつ。「わくわくするものを見る → 飼い主を見る」という新しい習慣を育てていきます。
  • 無理に慣らそうとしない。 興奮しきった犬を何度もきっかけのそばに連れて行くのは逆効果です。まだ話を聞ける距離で練習して、その距離を少しずつ縮めていきましょう。

相談したほうがいいとき

次のようなときは、かかりつけの獣医さんや、力に頼らない方法の認定トレーナー・行動の専門家に相談してください。

  • 吠えが急に始まったとき。吠え方の変化は痛みや病気のサインのことがあるので、まず健康チェックを。
  • 恐怖、不安、留守番にまつわる吠えで、よくなっていかないとき。
  • だんだんひどくなっているとき、あるいは犬(や自分)の生活の質に影響が出はじめたとき。

助けを求めるのは失敗ではありません。とくに不安からくる吠えでは、それがいちばん早い解決の道であることが多いのです。

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