犬の飛びつきをやめさせる方法(叱らないしつけ)
インターホンが鳴る。愛犬が玄関へ突進する。そしてお客さんに、泥だらけの前足としっぽの大回転で飛びつく。
恥ずかしいですし、痛いこともありますし、小さな子どもや年配の方なら転んでしまうかもしれません。
でも、見方をひとつ変えると全部が変わります。**あなたの犬は、失礼にしているわけでも、上に立とうとしているわけでもありません。**うれしくてたまらなくて、あいさつのために顔に近づこうとしているだけです。
そうわかれば、やることはシンプルです。**もっといいあいさつの仕方を教えて、飛びつきにごほうびを与えるのをやめる。**それだけです。
どうして人に飛びつくの?
飛びつきは、ほとんどの場合あいさつと注目が目的です。
子犬が人の顔に向かって伸び上がるのは、そこにいいことがあるからです。目が合う、話しかけてもらえる、触ってもらえる。そして私たちは、気づかないうちにそれにごほうびを与えています。見下ろす、笑う、押しのける、「ダメ」と言う——興奮した犬にとっては、どんな反応も、押しのけられることさえも、大当たりなのです。
よくあるきっかけを挙げてみます。
- 興奮とあいさつ。 玄関での「おかえり」の場面が定番です。テンションが高いほど、ジャンプも高くなります。
- これまでずっと通用してきた。 飛びついてなでてもらえた、笑ってもらえた、目が合った。そんな経験が一度でもあれば、しっかり練習された習慣になっています。
- かまってほしい。 退屈している犬は、「前足を人にのせればすぐ反応がある」と学びます。
- 子犬のころに覚えた。 生後10週・4kgのころはかわいかったことも、30kgになるとかなり事情が変わります。
すべてに共通しているのは、注目がごほうびになっているということ。そしてそれが、解決のカギでもあります。
飛びつきを直す、たったひとつのルール
力に頼らない方法はどれも、結局この一文に行き着きます。
四本足が床についていれば、かまってもらえる。飛びついたら、注目は消える。
どちらがいいかは、犬が自分で決めます。飼い主さんの仕事は、どちらにごほうびを与えるかを絶対にぶらさないこと。そして、愛犬が出会うすべての人に同じルールを守ってもらうことです。
飛びつかれた、その瞬間に
飛びつかれたときの目標は、それを「何も起きなかったこと」にすることです。
- ごほうびを消す。 体をそむけ、腕を組み、天井を見ます。目を合わせない、話しかけない、触らない。「オフ」とすら言いません。とにかく退屈な存在になります。
- 四本足が床につくのを待つ。 全部の足が床についた瞬間(またはおすわりした瞬間)に、こちらを向いて、落ち着いて注目・ほめ言葉・おやつを渡します。
- 毎回、必ずくり返す。 犬はパターンから学びます。最初の数回は、飛びつきがいったん激しくなることもあります。「昔のやり方はまだ通じるかな」と試しているところです。落ち着いて待ちましょう。
ひざで胸を突く、前足をつかむ、どなる——これらは絶対にやめてください。犬を痛めつけたり、怖がらせたり、混乱させたりしますし、たいてい逆効果です。荒っぽい接触は「楽しい遊び」に見えることがあり、やめさせたい行動をそのままほめてしまいます。
かわりのあいさつを教える
ごほうびを消すことで教えられるのは「何をしてはいけないか」だけです。定着させるには、かわりにすることを用意しましょう。飛びつきと同時にはできない行動がいいので、おすわりが最適です。
- まず、静かな部屋でおすわりを確実に。 気の散るものがない場所から始めます。
- あいさつのごほうびは、低い位置で。 帰宅したら、かまう前におすわりをしてもらいます。おやつもほめ言葉も、床に近い低い位置で渡しましょう。高い位置でごほうびをあげると、伸び上がる動きをうっかり後押ししてしまいます。
- 興奮の度合いを少しずつ上げる。 落ち着いた家族から始めて、テンションの高い家族、友人、そしてインターホン、という順に。いまの段階で成功できているときだけ、次に進みます。
- 1回は短く、明るく。 数分だけ、うまくいったところで終わります。
続けるうちに、犬は「飛びつく」ではなく「おすわり」がいいことを引き寄せるのだと学んでいきます。
玄関をどう乗りきるか
インターホンはいちばんの難所です。何よりわくわくすること——お客さんの登場——を予告してしまうからです。その瞬間に完璧な自制を期待するのではなく、うまくいく状況を先につくっておきましょう。
| 場面 | やること |
|---|---|
| 玄関でお客さんに突進する | 玄関にリードか短い引き綱を用意しておく。踏むか持つかして物理的に飛びつけない状態にし、落ち着いたらほめる |
| 興奮が振り切れている | 仕事を与える。少し離れたベッドやマットへ行かせて(「ハウス」「マット」)、落ち着いてからお客さんを通す |
| 来客がしつけを台なしにする | 入る前に伝えておく。「おすわりするまで、無視してあげてください」。ひと声かけるだけで、数週間分の努力が守れます |
| 今日は時間も余裕もない | ベビーゲートの向こうか別の部屋で、かじれるおもちゃと一緒に過ごしてもらう。環境で防ぐのはズルではありません。習慣を練習させないための立派な作戦です |
玄関での鉄則は、四本足が床についているときだけ、お客さんがかまう。飛びついた犬をかわいがる人がひとりいるだけで、たくさんの積み重ねが台なしになります。遠慮せず、来客にもお願いしましょう。
家族全員でそろえる
飛びつきの「問題」は、たいていここに潜んでいます。
平日は無視するのに週末は笑ってしまう。あなたは止めるのにパートナーはかまってしまう。これでは犬にとって、飛びつきはスロットマシンです。そしてスロットマシンは、やめられません。
この行動が消えるのは、家族全員と来客全員が、毎回同じルールを守ったときだけです。
- ルールはひとつ。飛びついたら、絶対にかまわない。
- 落ち着いたあいさつには、たっぷりごほうびを。「いい選択」が得になるように。
- 玄関の近くにおやつを置いておくと、ごほうびがすぐ渡せます。
- まだ勝てない場面は、環境で防ぐ(リード、ゲート、かじれるおもちゃ)。習慣を練習させないことが大事です。
とくに気をつけたい場面
飛びつきはマナーの問題であると同時に、相手によっては安全の問題になります。
小さな子ども、年配の方、足元の不安な方のそばでは、うれしくて飛びついただけでも転倒につながります。あいさつが安定するまでは、「たぶん大丈夫」と期待せず、リードやゲートを使ってこちらから場面をつくってあげてください。
もし飛びつきに、本当に興奮が収まらない、不安が強い、といったサインがともなうなら——手がつけられないほど高ぶって戻ってこない、口を使う、まったく落ち着けない——先に落ち着く土台をつくるほうが近道です。力に頼らないトレーナーが力になってくれます。
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